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【Moodle】自作HTMLコンテンツを動作させる

社内教育を構成するにあたり、学習コンテンツのデータ形式に縛りがあることが多いです。Moodleでは様々な活動モジュールがありますが、多くの組織ではMicrosoft PowerpointやPDF形式のコンテンツを資産として保持しています。本記事では既存の自作コンテンツをMoodleで活用する一つの方法について紹介します。

MoodleにおけるHTML記述

Moodleでは活動モジュールをはじめとする様々なテキストエリアにおいてHTMLコードを記述することができます。したがって、単一のHTML記述ページを作成することは十分に可能なので、単一ページで表現できる学習コンテンツであれば、容易にセッティングすることができます。しかしながら、ディレクトリ構造を持つHTMLや関連するファイルの連動等についてはテキストエリアのエディットだけでは適応させることはできません。

HTMLを利用した学習コンテンツ

単一ページで表現されるHTML学習コンテンツでは、テキストや画像等を表示し、それを閲覧するような形式となると想像できます。それでは「ディレクトリ構造を持つHTMLや関連するファイルの連動」とはどのようなものでしょうか。

これまで社内教育で用いられてきた教育資材のデータ形式は、前述したとおりPPTやPDFなど多岐にわたると思います。また、数種類の教育資材を組み合わせて一つの学習コンテンツを作り上げる場合、複雑なデータ構造を持つ必要性がでてきます。

例えば、1つの教育資材に複数の学習内容が含まれる場合、メニュー選択領域と表示領域を構成するHTMLが必要になります。表示領域では、PPTスライドをそのまま画像スライドショーとして動作させ(javascriptと連動)、同時に当該スライドが表示されているフレームに補足テキストやそのほかのコンテンツを導入します。これらは単一ページのHTMLでは表現できません(できる場合もありますが、コーディングや運用の効率を考慮すると不適です)。

SCORMを利用してHTMLコンテンツを丸ごと表現

以上のとおり、単一ページのHTMLでは表現できない学習コンテンツについては 「ディレクトリ構造を持つHTMLや関連するファイルの連動 」が必要となります。それでは、これらのファイル全体をどのようにしてMoodle に適用すればよいのでしょうか。選択肢の一つとしてSCORMを利用する方法があります(みる人によっては邪道かもしれません)。

SCORMについて

SCORMコンテンツについては下記の記事で紹介しておりますので、先に閲覧されることをお勧めします。
 〇【Moodle】SCORMコンテンツの作り方

SCORMを利用する方法の概要と具体的な手順

①HTMLやCSSJavascriptで記述されローカルブラウザで動作する学習コンテンツを用意
 ⇒複数のHTMLファイルを組み合わせて複雑な構造とする場合でも問題ありません。オンラインデータ参照構造を持たず1つのフォルダで完結していることが必須です。

②SCORMコンテンツとするためのマニフェストファイルを作成
 ⇒マニフェストファイルの作成方法については過去の記事にて紹介しておりますので、必ずご覧ください。〇【Moodle】SCORMコンテンツの作り方
 ⇒基本の最もシンプルなマニフェストファイルテンプレートを用いて、参照するリソースをメインのHTMLとするだけで動作します

マニフェストファイルを含むファイル全体をZIP形式で保存
 ⇒ZIP形式に圧縮する操作は、データを格納しているフォルダを開き、「中にあるデータをすべて選択してZIP化」する手順で実施します。データを格納しているフォルダそのものをZIP化してしまうと、階層構造が1フォルダ分深くなってしまい、マニフェストファイルに記述されている相対パスが通らなくなってしまいます。

自作HTMLのSCORM化におけるポイント

自作を用いて作成した学習コンテンツをSCORM化することにより、学習に取り組んだ履歴がMoodle等の学習管理システム側に保存されます。また、マニフェストファイルを工夫することにより、履歴情報を複雑に構成することもできます。

一方、手順②で作成するマニフェストファイルは、最もシンプルな形式かつ、参照するリソースのHTMLファイル名も固定することにより、コンテンツ間で同じテンプレートを流用することができます。つまり、求められる履歴管理が閲覧の有無程度であれば、マニフェストファイル作成作業を実質無視することができます

SCORMファイルの自作では、ZIP化によるディレクトリ構造変化に気付かなく、エラー対応ができない相談を受けることがあります。この点は必ずおさえておいてください。